須藤です.
ちょっと面白い記事を見つけたので紹介します.
THE WALL STREET JOURNAL (EURO), JULY 6-8, 29面
Setting Rules for the Miscommunicators
He Texts, She Tweets: How to Establish Boundaries to Become E-Compatible With Family, Friends
大枠としては「昔は電話だけがコミュニケーションの手段だたので,電話でアクセスをすればたいていの人には繋がったし,でなければ「留守なんだな」と認識できた.ところが現在はいろいろなコミュニケーション手段があって,しかも人によって好きなメディアが異なる.このことによって人間関係に摩擦が生じている」という内容です.
例として,Text message が好きな妻と音声通話が好きな夫の間のすれ違いに関するエピソードが紹介されています.
(以下引用)
When he kept calling away, Ms. Richens ignored the phone. “Why did’t you pick up or call me back?” Mr. Richens demanded. She began answering the phone and speaking two words before hanging up. “Text me.”
Mr. Richens, 43, a branch manager for an investment firm, says he prefers the phone. “You can get everything knocked out in one quick conversation, rather than she text me, I text back and wait, she texts back and asks ‘What did you mean?'”
But Ms. Richens began to think her husband wasn’t listening to her. “I felt that when he had a minute he expect me to have a minute,” she says.
(ここまで)
コミュニケーション手段の自由度が上がっていくとその使い分けが難しくなるばかりか,相手の状況を想像して相手が望んでいる手段を選択するというスキルも求められ,コミュニケーションに要する心的負荷が大きくなっているのでは無いかと想像します.より容易にコミュニケーションを取るために開発されたツールが逆の効果を生んでいるばかりか,利用者の関係を壊している例まで挙げられているのが興味深いところです.
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須藤先生
いつのまにやらコミュニケーション@不便益 担当的な展開のtanichuです.
興味深いですね.ゲーム理論的分析が適合するように思います.
コミュニケーションにおける,聞き手と話し手の非対称性とメディアの受容に関するナッシュ均衡ですね.
一本書けそうですね.
谷口忠大