不便益システム研究所

不便益を考える!

日々の不便益

Archive for 2010年6月

能動義手

便利な能動義手を考えろと言われると,ついつい工学的価値(機能価値/製造コスト)→max が頭に浮かぶ。これでは現在主流のキャプテンフックの義手から離れられない。もう一つの方向は本物に似るmax。しかしこれは「不気味の谷」を超えられそうにない。他の方向を不便益で考えられないだろうか?あさりよしとおの描くロボットのような手とか。失う前の自分の腕に似て無くても,工学的価値がmaxでなくても,使う人が「ふと視線を外され話題にのぼらないよう気を使われてる」心地悪さをminにする方向。北海道教育大学の試案は,今は伏せておこう。

合理性追求

日本感性工学会生命ソフトウェア部会のワークショップに講師として呼んでもらった時に出たコメント「合理性追求の悪い側面と関係がありそう」について少し考えてみたことをメモ。
合理的/非合理的,効率的/非効率的,no context/high context,便利/不便がそれぞれ対応するのではないか。一般則をふりかざして「全ては…..」と言ってしまえる便利は合理的に見えて実は globalization を隠れ蓑にした”横着”に過ぎず,世の中の多くは本来文脈依存。しかも low context ならまだ「一般則+少々の例外処理」で対応できるけど,high context な対象はいちいち文脈によって対応を考えるという手間を強いる(一般には不便な)モノであるはず。これに一般則をゴリ押しするラク(便利)が,合理性追求の悪い面ではなかろうか?