9/4-7のヒューマンインタフェースシンポジウム2012に参加して来ました。
・講習会コース1「インタラクションデザイン」
コース1のオーガナイザ富松先生の言,物理的に正しいことを超え,解釈を揺さぶり,多様な解釈を与え,快適さを超えてやる気やモチベーションにつながる。抽象画家ではなく元プロダクトデザイナーの言葉である。この講習会コース1は期待できそう。コース3の「評価軸は果たして便利だけで良いのか」,「モチベーション維持のノウハウ」にも心惹かれるが,コース1を受講してみた。
[藤木淳先生]ゲーム無限回廊の発案者。違和感を適切にデザインに組み込む。不便益の説明に近頃は「分かりやすいという便利の逆にある益」としてウォーリーを探せを引き合いに出すことが多いが,藤木先生の「動くウォーリーを探せ」には我が意を得たり。
[馬場哲晃先生]FreqtricでしばしばTVで紹介されている。不便益を実装するコツの一つに「物理量の連続性を援用すべし」というのがあるが,馬場先生の「五線譜に手書きで音符入力・五線譜をなぞる演奏」は,画面上をマウスで入力する便利な方式では得られないものがある。なぞる時の手の震えは忌避されるものではなく,演奏に即興性と個性を与える。
[江振維先生]金魚が勝手に泳いでいる軌跡を入力とするピタゴラスイッチ,タンジブルな「鉛筆で描いた線」から変換される楽曲。便利・不便とは直接関係しないように見えるが,因果律より偶然の効用を積極的に評価したいという根本で,不便益とつながる。