不便益システム研究所

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不便益読み物バックナンバー

期待学

2012june20に,期待学研究会に招待された。その時のお話。
ノーマンが「人間中心設計は害悪だ」を発表したのは,その前に出版した本に世間が過剰反応したから。その本を調べておいた方がよい。ITSの分野では,自動車をどこまで自動化すべきかの議論がHOT。是非不便益の視点から,自動化と手動化の線引きを提案して欲しい。
高齢者支援も,議論の対象に好適。あえてバリアを導入した特老ホームが成功した例もある。寝たきりラベルを付けられ,自分で出来ることが千差万別なのに同じメニュー(流動食など)にするのは,介護の手間を省くため。一人一人に合うメニューにしたら歩けるようになった事例が多い(中川先生の実証)。
バリアフリーで日常を過ごし,リハビリのための設備と時間を別に取っている現状は,オートクルーズで業務をこなし,陸に上がってからシミュレータで練習をするパイロットの状況に通じる。
あえてバリアを導入して特老ホームと,あえて園庭を凸凹にして園児が活き活きとした幼稚園がある。
ガスコンロとIHも,議論の対象として好適ではないか。火が見えることは大切。生まれたときからIHしか知らずに,加熱と物理現象が artificial indigater に媒介されるものしか知らずに育つことは,教育の問題もからむ。
不便益は,マニア向けではないかな。ガスコンロは,時と場合によって白物であり,玄人の道具であるのが理想。だが,現実的にはコストが掛かりすぎる。
ガスコンロを,ブレストのお題にしてみよう。
不便益は,自分でプロセスを楽しめる人向けではないか。そう言い切ってしまえば,将棋や囲碁の3手詰め,5手詰め,,,, と,どこまでプロセスを楽しめる人かの指標を「詰め数」で定量 化するのは,面白そう。