不便益システム研究所

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猫メディア


猫メディアでは、野良猫に餌をやるたびに携帯電話からサイトに アクセスしなければならない[須藤06, 小北06]。この制約は一種の不便である。 しかしこの一手間によって、対象の猫の現在のコンディションを知ることができる。さらに、自分が関わった痕跡を残すことは、精神的な満足を与える。発信した情報は猫メディアによって別の人に伝えられ、 その結果、対象の猫と関わる多くの人にその人の存在を意識させ (可視化させ)、それがコミュニティを浮かびあがらせる。


猫メディア
オフィシャルサイト

猫メディアとは


のら猫を地域コミュニティのためのメディアとして用いる試みです。
他のコミュニティメンバーの猫への関わりを知ることによって, 「地域社会・他者への気づき」「地域コミュニティへの積極的参加」を促します.

人間同士の関わり合いには,様々な利害関係や思いこみ,偏見などといった 非常に複雑で困難な問題が介在します. そのため,コミュニティ内の人間関係を良好に保つためには,多くの努力が必要になります. 本研究では,人々のコミュニケーションに,あえて「猫」を介することで, 自分と他の人たちとの関係の客観視を促します. 対立している相手の言葉を直接聞いたり読んだりしても,冷静に受け止めることができず,逆に溝が深まってしまうことがあるかもしれません. しかし,その相手のことを「猫」が語ってくれたらどうでしょう. いつもより少しだけ冷静に相手のことを考えることができるかもしれません. このことによって他者への理解を深め,よりよいコミュニティが形成されることを期待しています.

[須藤06] 須藤、小北: 野良猫と共生する地域コミュニティの創発; ヒューマンインタフェースシンポジウム2006, ID2122, pp.527-530 (2006)
[小北06] 小北、細矢,加藤、須藤: 猫メディアを活用した地域コミュニティ活性化システムの提案; ヒューマンインタフェースシンポジウム2006, ID2537, pp.899-904 (2006)