「何をつくるべきかのカギ」で考察した内容をまとめて整理すると、不便益的システムとは
- 不適切な機能モジュールの切り出しと
- そこで閉じた形での(系の外との関係を無視した)安易な最適化や自動化
へのアンチテーゼである。ここで、具体的に調べるべき事項は以下の2点に集約される。
- 系の中では最適でもなく無策でもない、その中間にあり「予見できない系 外との関係」を許容する能力を備えた「緩やかな拘束」とは何であり、それをいかに定式化するか。
- 「全ての関係を洗い出して系の内側に取り込む」という従来のアプローチを否定し、系外との関係を全て予見することは不可能であるという立場をとるならば、関係をいかに取り扱えば(たとえば記述すれば)よいのか。
これらは、緩やかな拘束の定式化 ( by Channel Theory、 by Network Analysis)、や関係の取り扱い ( by 情報土壌学) を足がかりに究明する。