不便益システム研究所

不便益を考える!

日々の不便益

知り合いの視覚障害の方から

今日は、目をつぶっても、銀行や郵便局のATMを利用できる事を初めて知りました。 早速、銀行のATMで実験しました。 感動に近いものを感じました。 場所さえわかれば、目がもっと悪くなっても、一人で引き落としや 振込みができると知る事は、やはり安心感があります。

そして今日、視覚障害者が自立できるように、色々と茶道や、華道の作法を取り入れた、日常生活の動作訓練の工夫を教えてこられた70歳(!)の女性が来られる講座があって、有給を取って話を聞いてきました。

今は、携帯電話、計算機、テンキー、色んなものに「5」の所に印が付いていますが、それがない頃、胡麻や、何か「点」になるものを、テープで貼って工夫して教えていたそうです。 後で、それはいつの時代だったのですか?と先生に聞きました。(私が物心ついた頃から5に、印が付いていたのは知っていたので)そしたら1970年代の、万博の頃だそうです。

あと今はテレホンカード、ラガールカードなど、表の左下に、窪みや、切れ込みが当たり前のように入っています。 これも、やはりカードが出来た当初は、切れ込みが入っておらず、 先生がハサミで切れ込みを入れて、そして向きを視覚障害者にわかるように教えていたそうです。

今は、ピタパがあって、お金無しで、方向を考えずに、駅や何か買う事ができます。 便利な時代になりすぎて、何も考えずに、何でも出来てしまうという時代になってきています。「見えなくても工夫したら、出来る」という事を 感じなくなる時代になってきているんだと思います。そう感じれることは、不自由を感じていない頃にはあまり感じない類の幸福感をもたらしてくれる気がします。

この便利な時代に、70歳の藤原先生にお会いできて、工夫の喜びを教えて頂いて、本当に良かったなと思いました。